福岡市住宅供給公社 60周年のあゆみ

福岡市住宅供給公社が誕生して60年。これまで福岡市の住宅政策の実施機関として、市民が安全で安心・快適に暮らせる住宅と住環境の提供に取り組んできました。 今までに培った信頼と実績を今後の住まいづくり、まちづくりに繋げてまいります。

分譲住宅事業

草創期・全盛期(昭和40~50年代)

蓮池住宅

■鶴田団地

 公社分譲事業の特色は、勤労者のマイホーム取得の夢を叶えるため、低額の頭金で住宅を取得できる積立分譲方式の採用でした。 昭和41年度募集の「鶴田団地」を皮切りとして、昭和48年度の1,000戸を最高に、 昭和50年度までは年間800戸前後を安定的に供給し、公社の全盛期を築きました。

 その後、「量から質へ」と移行する住宅ニーズの変化や石油危機の発生などにより、公社事業にも不況の影が差し、 昭和58〜61年度には年間供給戸数が100戸未満にまで落ち込みましたが、民間のノウハウを活用した新たな広告手法の導入など、 職員一丸となって経営改善に取り組んだ結果、深刻な危機を乗り越えることができました。

WF開発への参画(昭和60~平成初期)

 平成の時代に入り、当公社ではこれまで蓄積してきたノウハウと技術力を生かし、福岡市の都市政策の一つであるウォーターフロント開発に、 高水準な住宅提供という観点から積極的に関わり、「シーサイドももち」「西福岡マリナタウン」の両地区において戸建・共同建住宅の供給を行いました。

 平成9年度募集の「レークヒルズ野多目」では、自然との共生を重視し、免震構造やオール電化、バリアフリー設計など高齢化社会への対応を盛り込んだほか、 平成10年度に販売を開始した「リーフタウン下原台」では、定期借地権付分譲住宅を初めて採用し、市民に求めやすい価格での提供を実現しています。

シーサイドももち「クリスタージュ」

■シーサイドももち「クリスタージュ」

新たな住環境の創造(平成中期以降)

アイランドシティ

■アイランドシティ

 これまでの実績が評価され、平成14年度には、21世紀の先進的モデル都市を目指す「アイランドシティ」住宅開発への参画要請を福岡市から受けました。 当公社は、アイランドシティのまちづくりに関わるコーディネーターとして事業に参画し、民間事業者との協働のもと、照葉地区において、 まちづくりのコンセプトである「生きる力を呼び覚ますまち」の実現を目指し、自然豊かで健やかなコミュニティの形成に努めました。 平成20年度以降、当公社では分譲事業を行っていませんが、これまでに培ってきた知見と経験を活かし、今後も福岡市の住環境の発展に貢献したいと考えています。

賃貸住宅事業

賃貸住宅事業

 特定優良賃貸住宅(特優賃)や高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)として当公社が建設し、供給・管理を始めた賃貸住宅事業は、平成8年度に「ナイスティ香椎浜」の管理を開始して以来、現在では4団地137戸を管理しています。 地域の公民館と老人いこいの家を併設した「ナイスティ香椎浜」、市水道局・交通局施設との合築である「ウィルミック薬院」など、公社だからこそできる特長ある賃貸住宅を提供しています。

 なお、公社賃貸住宅の特優賃・高優賃としての管理期間(20年間)は令和6年度までに終了し、すべて一般賃貸住宅に移行しましたが、引き続き公的賃貸住宅としての役割を担っていくことにしています。

ナイスティ香椎浜

■ナイスティ香椎浜

賃貸宅地事業

リーフタウン下原台

■リーフタウン下原台

 「リーフタウン下原台」と「千代一丁目地区」において、それぞれ定期借地権設定による賃貸事業を行っています。 「リーフタウン下原台」は、平成13年度と14年度に、50年間の一般定期借地権付分譲住宅として55区画を販売しました。 引き渡しから10年経過後は譲渡に応じており、令和6年度末では40区画を管理しています。

 また、市の住宅・福祉施策に寄与することを目的として、「千代一丁目地区」の公社保有地において、平成25年度に社会福祉法人と53年間の一般定期借地権設定契約を結びました。 現地では、同法人が特別養護老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの福祉施設を運営しています。

市営住宅管理等事業

市営住宅・駐車場の管理受託

 当公社は、昭和62年度に、市営住宅の管理業務を担っていた(財)福岡市住宅管理公社と統合し、以来、福岡市より同業務を継続して受託しています。 管理戸数は、令和6年度末現在、169団地31,111戸で、このほかに市営住宅駐車場109団地14,308区画の管理業務を行っています。

 市営住宅においては、高齢化の進展や価値観の多様化、住民間の絆の希薄化などに伴う課題が顕在化しています。 このため、当公社では特に福祉的配慮やコミュニティの活性化支援などに関する取組みの強化に努めています。 平成28年度には、入居者同士の交流や管理組合活動を支援するための担当部署を創設しました。

市営下山門住宅(新棟)

■市営下山門住宅(新棟)

新たな取組み

コミュニティガーデン許可制度(市営住宅敷地内での共同菜園作り)

■コミュニティガーデン許可制度(市営住宅敷地内での共同菜園作り)

 令和6年度からは、管理組合の負担を軽減するための「共益費徴収管理モデル事業」を開始しました。 また、入居者の見守りや生活支援のために訪れる親族や介護事業者等が市営住宅の駐車場を利用できるよう制度を見直したほか、 一部の団地において駐車場の空き区画等に、デイサービス送迎などに無償で利用できる一時駐車場を設置しています。 さらに、令和7年度からは、IoTを活用した「高齢者見守り支援サービス」を試行しています。

 これからも新しい方策を探りながら、業務の効率化と入居者へのサービス向上に努めてまいります。